【3.扁平足とは】を追加しました。(9/20)
痛くなければ放置して良いのか?

扁平足だからといって痛みや違和感がない場合もあります。見た目も気にしなければ放置してもよいのでしょうか?
今は問題がなくても、将来において痛みなど発症することが考えられます。
扁平足であるということは一つ以上のリスク要因を持っているということを理解しておかなければなりません。
加齢によって組織はどうしても弱くなってきますのでアーチ構造はさらに低下してゆきます。足部に限らず身体を支える各所の筋肉の衰えや柔軟性の欠如も相まって種々の障害に結びつきやすくなるのです。
ランニングは扁平足への対応策か?
ランニングは健康維持に大きな効果があります。筋力を強化、維持することで衰えも防いでくれるので、扁平足への対応策となったいると思われるかもしれませんが、すでにリスクを抱えているわけですから、走る頻度や量や負荷の大きさによっては、ランニング障害に至りやすいと思ってもよいでしょう。
将来に対しても講じておきたい対応策
将来における健康な足、歩行のためにも対応策を講じておくことは有意義です。ランナーはもちろん、登山やウォーキング、他のスポーツを嗜む人、シニアの方々はなおさらです。
具体的な対応策
正しいシューズフィッテング、オーダーメイドインソール、正しい歩行姿勢、ランニングフォーム、身体の癖や歪み、弱点を改善するエクササイズなどをご検討ください。
早めに取り組むほどリスク回避になります。
扁平足とは
そもそも、扁平足とはどんな足でしょうか?
足の土踏まず、いわゆる内側縦アーチが低く、わかりやすく一言で言うと「地面にベタっとついている足」でしょうか。「べた足」という言葉も聞きます。


真の扁平足、偽りの扁平足
自分の足が扁平足だと思っている人は結構いらっしゃいます。真に扁平足の方もいれば、実際にはそうではないにも関わらず扁平足だと思い込んでいる偽りの扁平足の方も少なくありません。
シューズ販売、リフレクソロジー、オーダーメイドインソール作成と、長年足を見続けてきた経験から、自称扁平の方のおよそ3割は、私の判断では偽りの扁平足…いわゆる思い込みです。
逆に、真に扁平足であるにもかかわらず、認識していない人も一定数いらっしゃいますが、多くは判断できていないのではなくそもそも関心が無い、気にしたことがない…ということのようです。
扁平足の診断
客観的な診断方法としては、アーチ高率(足長に対する舟状骨粗面高の割合)の算出結果によるもの、レントゲン写真上の距骨の角度と第一中足骨の角度による重症度分類、フットプリント画像をての診断・重症度分類などがあります。
しかしながら、素人はもちろん、整形外科医、理学療法士、シューフィッターなどの専門がいる場においてでも、いつも実際に計測、算出されるわけではありません。
ランニングシューズのショップでは足の3D計測結果にアーチ高率が記載されていることもありますが、その数値の判断基準がわかっていない場合も多く、説明を受けることは稀です。
そして多くの場合は見た目で判断されるために、様々な理由も相まって多くの偽りの扁平足が出現することにもなっているようです。
- アーチ高率を測定したことがない
- そもそも他人の足をじっくり見たことがなく、比べることができていない
- 前足部にかけて扇型になっているので「広がる=ベタ」という感覚につながる
- 日本人は特に「足は下(しも、げ)、劣るもの」という感覚があるらしい
- 自分の容姿を「イケてる」と言わない、思わないのと同じで謙遜的自己診断
真の扁平足の要因
真の扁平足の成り立ちには、先天的なものと後天的なものがあります。
生まれたばかりの赤ちゃんにはアーチがありません。幼少期を経て成長するにしたがって運動と食事でアーチが形成されてゆきますが、この時点でアーチ形成がみられないのが先天的な扁平足です。子ども自身は判断できないので、親が日ごろからチェックして、疑いがある場合には早めの診断、対処が求められます。
一方で、形成されていたアーチが、運動不足やシューズのミスフィッティングなどの原因で崩れて変形して生まれるのが後天的な偏平足です。
また、遺伝も要因ということもあるようです。データは取っておりませんが、経験から母と娘の足は似たような形をしているという実感はあります。
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