※このレクチャーは、マラソン等長距離走においてレース完走や自己記録の更新または維持という走力向上を目標においている市民ランナーを対象としたものです。
前回は、週3回の場合のメニュー構成の中に取り入れられるフォーム改善走をとりあげました。今回も、速さや距離を指標、テーマとしないものとしてアップダウン走についてレクチャーいたします。
週3回の場合のトレーニングメニュー構成(3)
アップダウン走を入れる
「アップダウン」という言葉の響きからは、上りの負荷=キツい・・・頑張って増強するトレーニングを想像しがちかもしれません。もちろん運動器改善(筋力アップ)をテーマにすることもありですが、今回のテーマは「アップダウンを利用したフォーム改善」です。
平坦以外のコースでのトレーニングには、ファルトレク、クロカン、トレイルランニング、坂ダッシュ?などがありますが、「何をテーマとして走るか」、「何を指標としていかに走るか」は走る人各々に委ねられます。
ここでご紹介するトレーニングメニューはオーソライズされているものではありませんが、「こんなテーマ、走り方でこんな効果が期待できます」という一つの提案です。
坂があるならばぜひ取り入れてみたく、敢えて坂を探してでも行いたいと思っていただけるとありがたいです。どんな坂が適当かは後にご説明いたしますが、どちらかというと緩めの普通の路面を想定していただければ良いと思います。
アップダウンを利用したフォーム改善
上り坂では地面にまっすぐに立っているだけで体が後方にもっていかれ、前に進みにくくなりますので、平坦に比べてフォームの良し悪しがパフォーマンスに影響します。また、上手く走れた時の推進感や「ラク」などの感覚をつかみやすくもなります。ここに着目して、理想のランニングフォームの幾つかのテーマを意識して走ります。
以下に具体的なテーマを上げてみます。それぞれの概念を正しく理解して行いましょう。詳しくは改めてレクチャーの機会を設けます。
- 前重心
- 骨盤の高位安定
- 重心の真下着地
- ミッドフット、フォアフット
- 上肢帯の左右の動き
- 上半身のリラックス前重心
- ミッドフット、リアフット
アップダウン走ができる環境について
坂の斜度はキツ過ぎず、フォームに影響することが確実に感じることができる中でも緩めの斜度が良いでしょう。坂の長さは長いほど良いですが、短くても繰り返せば良いので数十メートルあれば十分です。むしろ繰り返して数回走る方が意識付けには向いているともいえます。
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