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トレーニング計画・メニューの作り方ー8 週3回の場合のメニュー構成(2)

快体健歩マラソントレーニング計画・メニューの作り方-7

※このレクチャーは、マラソン等長距離走においてレース完走や自己記録の更新または維持という走力向上を目標においている市民ランナーを対象としたものです。

前回は週3回の場合のメニューとして、必須メニューのロングペース走とLSDを隔週に置いて、あとの2回をジョグ、ショートペース走、スピード練習のいずれかで構成する二つの案を紹介しました。
今回は、週3回のままで上記以外のメニューを組み入れた構成案を紹介します。

週3回の場合のトレーニングメニュー構成(2)

トレーニングには“走るトレーニング”と、補強運動や動きづくりドリル練習など“走らないトレーニング”があります。これまでの紹介の中にあったLSD、スピード練習、ジョグなど走るトレーニングの多くは、指標や目標がスピードと距離・時間によって決められるものですが、今回紹介するのは走るトレーニングの中でも、ランニングフォーム改善や筋力アップをテーマとするメニューです。

フォーム改善走を取り入れる

フォーム改善走とは、文字通りランニングフォームの改善を目的として、フォームを意識して走る練習です。
意識して走ることができるランニングフォームのテーマをざっと上げてみましょう。細分化してゆけばさらに増えて尽きることはありません。

  • 目線
  • 腰や骨盤の高さ
  • 腕振り、肩甲骨や肩、上半身の動き
  • 体幹上部、体幹骨盤周辺の動き
  • 着地における足の接地部位、着地時の身体のポジション
  • 骨盤や体幹、全身における前傾姿勢
  • ピッチ
  • ストライド
  • 身体各部位左右のバランス
  • 上肢と下肢、足と手の動きのタイミング

幾つかの選んだテーマそれぞれを意識して決めた距離や時間を走ります。テーマを変えてゆくのでフォームテーマ変化走などと言ったりもします。幾つのテーマを取り上げるかは練習時間やそれぞれのフォーム課題によりますが、現実的なところとしては3~5くらいが適当でしょう。
また、各テーマをどんな順番で行うかの正解はありませんが、組み方次第で取り組みやすかったり、感覚がわかりやすかったりしますので効果にも差が出ます。
一例を紹介します。

例1:5テーマ×2セット

①目線→②骨盤の高さ→③着地のポジション→④上半身の動き→⑤前傾
簡単なものから始めたり、関連性があるものを続けるのが良いと思います。
時間と距離に関しては、全体走行量にもよりますが、ワンテーマで長くて1kmか5分あたりが良いと思います。同じ一つのことだけに集中して走るのは意外と難しいものです。「短い時間でもしっかり意識する」積み重ねが身につく秘訣です。仮に500m×5フォームテーマで2セット行えばトータル5kmの練習メニューです。

例2:(1テーマ×3スピード)×2セット

また、一つのテーマで、速さを2~3種類くらい変化させて走るワンテーマスピード変化走というやり方もあります。一例を紹介します。
①6分40秒/1km→②5分30秒→③5分00秒とか、遅いスピードでじっくり意識付けができたり、違ったスピードで走ることで体に馴染ませたりできる効果があります。こちらも一つの速さでせいぜい1kmか5分が目安です。

例3:(1テーマ×2スピード)×5テーマ2セット

そして、上の二つの変化走を組み合わせて行うこともできます。ワンテーマを2~3つの速さで行ったら次のテーマに移行してゆきます。
仮に(500m×2つの速さ)で5フォームテーマを2セット行えばトータル10㎞の練習メニューです。
この際気をつけたいのは、速さはせいぜいレースのイーブンペースまでとしてそれ以上高い負荷をかけないことです。

このメニューの目的、テーマはあくまでランニングフォーム改善です。追い込んでしまうと、その分フォームへの集中が削がれてしまいます。何でもかんでも頑張ったほうが良いと思ってしまう頑張り屋さんは特に注意してください。速さを頑張るのは、それを目的、テーマにしたメニューの時にきっちり行いましょう。

フォーム改善走を組み入れた週3回の具体例

フォーム改善走を組み入れた週3回の具体例は次のとおり。
 【週3回C-1案】
(1週目)ジョグまたはショートペース走とフォーム改善走とロングペース走
(2週目)ジョグまたはショートペース走とフォーム改善走とLSD
(3週目)ジョグまたはショートペース走とフォーム改善走とアラカルト
  
【週3回案D-1案】
(1週目)フォーム改善走とスピード練習とロングペース走
(2週目)フォーム改善走とスピード練習とLSD
(3週目)フォーム改善走とスピード練習とアラカルト
 
前回、ショートペース走は一見して中途半端に見えると言いましたが、ペース管理の習慣が身についているランナーであれば、ショートペース走としてフルマラソンレースペースまでの速さでフォーム改善走を行うことも可能です。
 そうすればC案、D案はそれぞれ次のようにアレンジされます。
 
【週3回C-2案】
(1週目)ジョグとフォーム改善ショートペース走とロングペース走
(2週目)ジョグとフォーム改善ショートペース走とLSD
(3週目)ジョグとフォーム改善ショートペース走とアラカルト
 
【週3回案D-2案】
(1週目)フォーム改善ショートペース走とスピード練習とロングペース走
(2週目)フォーム改善ショートペース走とスピード練習とLSD
(3週目)フォーム改善ショートペース走とスピード練習とアラカルト

次回は、フォーム改善や筋力アップをテーマとしたアップダウン走などの紹介と、それらを組み入れた週3回構成案をレクチャーする予定です。

快体健歩マラソントレーニング計画・メニューの作り方-7

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