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マラソントレーニング計画・メニューー21 トレーニングの精度(1)正確な速さ

快体健歩、効果的なマラソントレーニング、その21

※このレクチャーは、マラソン等長距離走においてレース完走や自己記録の更新または維持という走力向上を目標においている市民ランナーを対象としたものです。

正確に走る

トレーニングバリエーション、頻度、量が申し分ない計画であっても残念ながら効果が上がらないことがあります。その原因の一つは、走る前、計画段階における距離、時間、速さの設定が適当でない場合や、実施において設定より速すぎたり遅すぎたりして正確に走れない場合です。
速さの設定や結果において求められる正確さはどの程度なのでしょうか?

フルマラソンの記録更新の観点から

フルマラソン記録更新の観点から考察してみます。

自己ベストを毎シーズン更新し続けてゆくうちに更新幅は狭くなってきます。そしていよいよ「更新できない」・・・頭打ちになってくると、次に目指せるのはせいぜい5分前後の更新ではないでしょうか
1シーズンで10分以上の更新を続けてきた場合でも、一度頭打ちになってしまったら、そこから一気に10分更新は(ありえなくはないですが)かなり難しいです。

フルマラソン42.195㎞の5分の差を1㎞に換算

シーズン毎の更新幅として区切りのよい5分、10分という値が出たところで、42.195kmのそれを1kmあたりに換算するとどうでしょうか・・・
5分(300秒)÷42.195km……7.11秒
5分縮めるということはキロ約7秒速くなるということです

頭打ちになっている走力はいきなりワンランク上に上げられませんから、日々の練習では「徐々に」ということになりますから、設定と結果は7秒より細かくこだわる必要があります。
2秒や3秒、さらにはコンマ何秒まで正確ならばなお良いのかもしれませんが、さすがに現実的には把握、意識しきれないと思われるので、区切りのよい数値として5秒でいかがでしょうか・・・。

「キロ5秒にこだわる。10秒違うと別レベル、これではマズイぞ。」そんな感じです。

キロ5秒をフルマラソンに換算

ちなみに、キロ5秒をフルマラソン距離に換算してみましょう。
5秒×42.195km…約211秒(3分31秒)
キロ5秒で約3分30秒、10秒違うと7分00秒の違いです。

速さにこだわる実践

速さの正確さを欠いてしまう例

この5秒のこだわり、正確さを欠いてしまうと、本番のタイムを意識したロングペース走やレース本番では次のようなことがおこります。

  • 10秒遅めの設定で走ってしまい、余裕で終えられても、走力アップのゾーン圏外なので期待の効果を得られない。
  • 設定より10秒速く走り出してしまい、途中で失速、故障のリスクも大きい。


どちらもありがちで珍しいことではありません。
「ダメでした~。」ではなく、速さの正確性を欠いていたことに気づき、反省できることが大事なのです。

陸上中距離をやってきたランナーは秒にこだわる経験が備わっていることが多いですが、ジョギング、マラソンから始めた市民ランナーにとっては、苦手なことなのかもしれません。
400mトラックでのインターバル走などを行っているランナーにおいても、その練習結果に限っては秒にこだわるのに、ロングのペース走となるとアバウトになってしまうケースも見られ、残念です。

フルマラソンの記録更新幅から展開して導きましたのでロングペース走では特に参考にしていただきたいところです。
これが10㎞以下などのスピード練習の場合は、精度がアバウトで理想から乖離するほどにその期待効果はさらに得られなくなり、甘えで終わってしまったり、挫折と故障リスクで終わったりすることになります。

自分で設定、管理、意識して走る

練習会やレースで

さて、練習会でのキロ30秒毎グループ分けやフルマラソンフィニッシュタイム30分毎のペースメーカーがいる場合、便利だからと安易に乗っかっていませんでしょうか?

一人で走る場合

一人で走る場合はどうでしょうか?
いつも区切りよいキロ4分30秒とか6分00秒とかの30秒ライン、サブ〇ペースだけで走り出していませんでしょうか?

区切りよい設定、グループ分けに委ねてばかりいると、甘え、向上効果無、挫折、故障リスクに浸ってしまうことになりかねません。

ランニングの自由と創造を楽しむ

他者と一緒に走るメリットも、「引っ張ってもらえる」「ペース管理をしてもらう」など、幾つもあります。

一方で、ランニングの魅力の一つは、自由、創造性が極めて高いことにあります。自分なりの工夫や感性で創る遊びの面白さと、感じる心地よさを手放して他に委ねるのはもったいないことです。

記録更新の結果は大きな喜びです。そこに向かう過程をも楽しみましょう!ペース走やスピード練習はキロ5秒の設定、結果にこだわって走りましょう。

今回はフルマラソン記録更新幅という観点からの考察でしたが、別の機会で、心拍数や乳酸値といった運動生理学的観点からも速度の精度におけるこだわりの重要性を説いてみたいと思います。

快体健歩、効果的なマラソントレーニング、その21

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