ウォーミングアップとクーリングダウンは、運動していない身体と運動中の身体との変化をなだらかにしてストレスを軽減させる動作です。
それによる主な効果は故障予防と運動パフォーマンスの発揮ですが、さらに意外なもの(意識していないもの)もあります。メイン練習の前後の時間の過ごし方?と考え直せば幾つか浮かびあがります。
それぞれの効果、目的を上げてみましょう。
ウォーミングアップの目的
- 臓器への負荷の掛け方をなだらかにすることでストレスを軽減し、障害を防ぎ、ランニングのパフォーマンスを上げる。
- 運動器への負荷の掛け方をなだらかにすることでストレスを軽減し、障害を防ぎ、運動のパフォーマンスを上げる。
- メインのランニングに入る前のルーティン(ジョグやエクササイズ)を行いながら心身の状態、調子を確認する。
- 気象条件や路面などの環境の状況を確認する。
- 走ることに影響する諸々を確認する(シューズ、ウェア、計器、共走者など)
- 身体の状態と気象など諸条件とメインのランニングメニュー(時間や距離や速さなど)がマッチしているかを判断し、必要があれば修正する。
- めざすパフォーマンスを思い描き集中力を高めてゆく。
クーリングダウンの目的
- 臓器への負荷をなだらかに落としてゆくことでストレスを軽減し、障害を防ぐ。
- 運動器への負荷をなだらかに落としてゆくことで拘縮を防ぎ、障害を防ぐ。
- ジョグやウォーキングなど低負荷の有酸素運動の持続により、疲労物質の早期除去をはかる。
- ルーティン(ジョグやエクササイズ)を行いながら心身の状態、調子を確認する。・・・必要であればアクティブケアを行う判断をする(通常は行わないプラスアルファのケアメニュー)
- ジョグやウォーキングなど低負荷の有酸素運動の持続により脂肪酸化能力の向上持続をはかる。
- クーリングダウンストレッチで柔軟性の向上や身体バランス改善をはかる。
- メイン練習の結果についておおまかに振り返る時間(反省や充実感)。
- その他、走ることに関与した諸々を確認し、メンテナンスの必要性や感謝などを確認する。
やる?やらない?
やらなくても故障しないランナーもいれば、やっても故障するランナーもいます。故障の原因は多様で複雑です。
やっても走力の上がらないランナーもいれば、やらなくても走力の高いランナーもいます。走力の主な要因は運動器の特徴・能力とトレーニング内容です。
やらなければいけないものでもありません。かといって、少なからず効果が期待できますから「やっても無駄」というのは言い過ぎと思います。
採用するか否かは、その時々のランニングにおける満足、ランニングライフの充実におけるコンディショニングの必要性と、ウォーミングアップとクーリングダウンの効果の信頼性に対するそれぞれの考え方によります。
そして、やるからには効果が得られるように正しいメソッドで行いたいものです。大切な時間を費やして時間をかけても、見た目動作の真似事に過ぎなければ効果が得られません。
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