2021年にさかのぼりますが、同年5月22日のNHK「チコちゃんに叱られる」(再)で、「ランニングとジョギングの違い」がテーマとして取り上げられました。
ランニング学会での定義
このテーマについては、私もランニング講習会などで時々取り上げることもあります。
番組では、私のランニング指導における師匠の山西哲郎先生(ランニング学会顧問)が、ランニング学会での定義づけを次のように紹介していました。
「心と体の健康を目的におよそ6分00秒/1kmより遅く走るのがジョギングで、およそそれより速い速度で記録などパフォーマンスを楽しむのがランニング」(一字一句は違うかもしれません)
皆さんはどう考えますか?
私の解釈
ランニングは行為、ジョギングはスタイル
私は次のように解釈しています。
「ランニングは広く走る行為全般を示すものであり、ジョギングは走り方、走るスタイルの一つでありランニングに含まれるもの」
では、ジョギングはどんな走り方、スタイルでしょうか。
「速さや距離などのパフォーマンスを目的としない、こだわらない走り方で、概ね心地よさ、気持ちよさを体感する強度で行うもの」
ジョガーという言葉がありますが、およそこの走りをしている方を指しているように思います。
ジョガーモードとアスリートモード
競技者としてのランニング
また、ジョギングとは異なるランニングのスタイルとして、競技者としてのランニングがあります。
これは、主にマラソンなどの大会における完走や記録目標、順位や勝負など、その結果を重視したランニングを指します。レース本番の走りはもちろん、日頃のトレーニングもこれに相当します。
アスリートと言う言葉がありますが、一般的には競技レベルの高い人や種目を問わずスポーツ全般において鍛錬されている人のことを指していますから、競技者としてのランニングをしている人を皆アスリートと言うわけにはゆきません。
『記録目標はなく楽しんで完走をめざしています。』という場合は、ジョギングージョガーでしょうか、それとも競技者としてのランニングーアスリートでしょうか?・・・どちらの要素も含んでいるので「ハーフ&ハーフランニング」といえます。(そんな用語はありませんが)
混在するジョガーモードとアスリートモード
『大会が開催されなければ、あるいはあなたが参加する大会が無くなっても、あなたはランニングを行いますか?』と市民ランナーに問いかけると、「続けます」や「やめるかもしれない」という人もいますが、少し時間をおいて迷いつつも「やっぱり、それでも、走ります」という方が多いです。
つまり、一人のランナーのモチベーションには、ジョギングを嗜むジョガーモードと競技者としてのランニングを楽しむアスリートモードが混在しており、人によってその割合が大きく異なったり、また一人のランナーにおいても、その時々で両モードの配分や切り替えの変化が行われたりしていると考えられます。
レースに向けてのハードなトレーニングが心地よいと感じられる場面もある一方で、ファンランのつもりだったが痛みをこらえながら無理をして走っていることもあります。
ランニングにおいて何かしら迷った時は、「今自分がランニングで求めているものは何か?」、さらに今日求めているものは・・・、明日は・・・、今月は・・・、今シーズンは・・・、ここ数年では・・・、生涯では・・・、少し立ち止まってみましょう。さらに過去はどうであったかを思い出したり、ノートや画像を眺め返したりしてみるのもよいかもしれません。そんな作業をしている間に悩みの一端になっているかもしれないジョガーモードとアスリートモードの配分が整理されて、「いかに走るか」が見えてくるかもしれません。
ジョグとは?、ジョックとは?
ジョギングと似た言葉にジョグというのがあります。指導の現場でも座学でも頻繁に使う言葉ですが、アスリートモードのトレーニングにおいて速くも長くもない走りを指します。レベルやトレーニング頻度全体量の個人差によりますが、市民ランナーでは長くても1時間以内くらいと考えて良いと思います。短ければ、例えば「1分ジョグでつないで・・・」など数分や数百メートルの場合もありえます。
学生時代に陸上を経験された方がジョックという言葉を使っているのを耳にする機会がありましたが、何となくイメージできていますが、すみません、具体的にどんな走りなのかは未だわからずじまいです。
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