※このレクチャーは、マラソン等長距離走においてレース完走や自己記録の更新または維持という走力向上を目標においている市民ランナーを対象としたものです。
週1回の場合のメニュー構成
週1回は少ない・・・でも大丈夫。
前回までは週2回以上の場合のトレーニングメニュー構成を紹介してまいりましたが、今回はいよいよ週1回の場合のトレーニングメニューについて考えます。
週1回・・・「少ないよ!」とのご指摘はもっともです。かといって、週1回のトレーニングでフルマラソンを完走できないわけではありませんし、「週1回しか走れないけれども走りたい、そしてフルマラソンにチャレンジしたい」という人もいるでしょう。いかにランニングを楽しむかが違うだけです。
週1回のトレーニングを考える価値は十分にあります。
ただし、トレーニング頻度や量が多いほど目的別に多種のトレーニングをバランスよく十分に行えますから、週1回より、週2回、3回・・・と多いほうが確実に早く走力を向上させることには間違いありません。週1回と週2回とではかなりの差があります。
基本案
A、B、Cの三つのメニューを展開します。
Cメニュー:ショートペース走
Bメニュー:LSD
Cメニュー:ショートペース走
Aメニュー:ロングペース走
*4回毎にこの繰り返し
- AとBは必須2大メニューで、Cはベースおよび繋ぎという考え。
- 1回の練習を休んでしまうと2週間空いてしまうことになりますがこれは致命的、いつまでたっても体が慣れず、相乗効果も生まれず、向上しません。体調に問題がなければ休まずに確保しましょう。
- どのメニューもイーブンペースで行います。
- ショートペース走の速さはロングペース走よりも少なからず速く、LSDの速さはロングペース走より明らかに(かなりでもOK)遅い・・・このメリハリが肝心です。
- ペース走の速さの目安:ハーフマラソンの速さ~フルマラソンの速さの間
- LSDの負荷の目安:最大心拍数の65%程度
- LSDは2時間、3時間、4時間と、できるだけ長い時間走れるように(無理せず)着実に右肩上がりに行います。
- ロングペース走は、ハーフマラソン完走レベルを超えたら、4週間に1回の20km、30kmがこなせるように(無理せず)着実に右肩上がりに行います。
- ペース走におけるウォーミングアップ、クーリングダウンのジョグを怠らないようにします。
- 毎回の距離、時間、速さ、心拍数などの数値を毎回記録します。
- 初心者におかれては、3つのメニューの長さ(距離や時間)がさほど変わらない場合もありますが、走る習慣に応じてメリハリをつけてゆきましょう。速さを適当にせずに、速ければ良いということではなく、しっかり管理することが大事です。
残念な例
- 毎回、それぞれの距離のバリエーションで行えているにも関わらず、速さのメリハリが無い
- スタートから終わりにかけてペースが落ちてしまう(オーバーペース)
- 余裕があるからと後半上げたり、最後にダッュを入れたりする(※練習の目的、テーマから外れる)
週1回でも、内容のメリハリがしっかりしている場合は着実に右肩上がりになります。
応用編
さらに応用して次のように展開するのもありです。
基本案のCメニューにスピードやフォームなどのエッセンスを配したパターン。経験やレベルの向上につれて攻めの姿勢が明確になるメニューです。インターバル走などのガチのスピードトレーニングは2週間空いてしまうことによる効果の低減、故障リスクの観点からお勧めしません。
Cメニュー:スピード練習の速さの域を含むビルドアップ走またはコンバインドトレーニング
Bメニュー:LSD
Cメニュー:スピード練習の速さの域を含むビルドアップ走またはコンバインドトレーニング
Aメニュー:ロングペース走
*4回毎にこの繰り返し
週1回の人にありがちな例と課題
週1回の人で多いのが次のようなパターンです。
通常5~10km前後、レースおよびレース1、2週間前だけ15~20km、レース以外では20km超や2時間超は走らない。フルの前は30kmを1回走る。
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