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マラソントレーニング計画・メニューの作り方ー10 週3回の場合のメニュー構成(4)

快体健歩-マラソントレーニング計画・メニューの作り方ー10

※このレクチャーは、マラソン等長距離走においてレース完走や自己記録の更新または維持という走力向上を目標においている市民ランナーを対象としたものです。

週3回の場合のトレーニングメニュー構成(4)

前回は、速さや距離を指標、テーマとしない類のトレーニングメニューとしてアップダウン走を紹介いたしました。
アップダウン走は、運動器改善(筋力アップ)の他にも多様な効果が期待できます。
今回取り上げるのは、負荷のコントロールとピッチ、ストライドのスキルアップを目的としたアップダウン走です。

負荷のコントロールスキルアップ

負荷のコントロールスキルの重要性

マラソンなどロードレースでは上り下りのペース調整がとても重要です。
仮にアップダウンの激しいコースを同じフィニッシュタイムで走り終えた場合でも、心拍数の上下の振れ幅が少なかった方がエネルギー効率の良い走り・・・言い換えれば、「余裕がありもっと速いタイムで走ることができる」と考えられます。
上りで頑張りすぎると心拍は上がり、スピード維持に必要な糖の利用割合が促進されますので後半大きなペースダウンにつながります。下りのスピード出し過ぎは運動器への大きなダメージになり、これも大きなペースダウン、故障リスクとなります。
レースコースのアップダウンは斜度も距離も一様ではありませんし、前後半のどこにあるかにもよりますが、上りを抑えてエネルギーを温存して、そこに費やしたタイムを平地と下りでカバーする戦略の方が後半失速のリスクを回避できると考えます。
それに必要な負荷のコントロールスキル向上のためにアップダウンを活用します。

アップダウンを利用した負荷のコントロール練習方法

アップダウンのあるコースを一定の心拍数(ゾーン)で(調整・管理して)走り通します。ただそれだけですが、普通は上りでは上げ、下りでは下げて走っているので、きっちり意識的に行わないと難しいでと思います。
レース対応のスキルアップですから、レースペース前後で走り、心拍数は上下5~10程度の幅が良いでしょう。ワンウェイコースでも構いませんが周回や坂の折返しシャトルなどの方が、より集中した意識で質の高い練習になります。
当然、上りは遅く、下りは速くなります。初めは上手くゆかないかもしれませんが、回を重ねるほどに数値と感覚が結びついて上手にコントロールできるようになります。

ピッチとストライドのコントロールスキルアップ

ピッチ、ストライドの概念

中・長距離走において「走っている最中にスピードが上がる(上げる)」ということは、概ねピッチが増えるか、ストライドが伸びるか、その両方です。
「ピッチ走法、ストライド走法」という言葉がありますが、明確な定義づけ(数値で判定できるもの)はありません。比べて「どっちが良い?」かの議論もあまり意味がありません。
どちらが得意か好きかはあるでしょうが、状況に応じてピッチを上げたりストライドを伸ばしたりできる身体能力(運動器の状態とコントロールスキル)を身につけておくことが望まれます

★平均ピッチを増やす・・・ハイピッチの動きに慣れる➡ペースアップやのぼり坂のスキル
★平均ストライドを伸ばす・・・可動域を拡張しておく➡ペースアップや下り坂のスキル

アップダウンを利用したハイピッチ、ワイドストライドの練習方法

<上りではピッチを上げて走る>
上りでは後方への重力の影響で、ストライドを伸ばしても上下動になってしまい前へのパフォーマンスになりにくいので、骨盤の左右の動きで獲得するピッチ重視で走るのが基本です。
同じ上り坂を、通常のピッチと増加させたピッチで走り、その違いを体で覚えながら上げてゆきましょう。

<下りではストライドを伸ばして走る>
下りでは骨盤と股関節を使った大きなストライドの方が、滑らかに着地衝撃を吸収しやすくなります。(※蹴って跳ねて獲得するストライド伸張とは異なります)
身体が空中と前方に前に投げ出される力を利用して身体全体の無駄な力を抜くとともに上半身、体幹を大きく使うことで骨盤、股関節も大きく動かしやすくなります。
同じ下り坂を、通常のストライドと伸ばしたストライドで走り、その違いを体で覚えながら伸ばしてゆきましょう。

ピッチとストライドの練習を紹介しましたが、それぞれの出し入れは意外と難しく、正しく認識されていないこともあるゆです。ラダー(梯子)を利用して足の動きを細かく刻む練習やハイピッチの腿上げドリルなども見られますが、それだけのマスターでは不十分です。
骨盤の動き(捻じり)がポイントです。それに従じたピッチ、またはストライドであることが上半身とも連動したランニングフォームの完成になります。

快体健歩-マラソントレーニング計画・メニューの作り方ー10

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