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2本のテーピングで足底腱膜炎のランナーを守る(東京マラソン2023エピソード)

東京マラソン2023エピソード、足底腱膜炎に対するテーピング

本番前のコンディショニングマッサージ

東京マラソン2023、準エリートの枠に出走された40歳代の男性ランナーSさんは快体健歩のお客様で、コロナ禍前よりレースシーズンになると定期的なコンディショニングとしてスポーツマッサージをご利用いただいております。東京レガシーハーフでも予定通りの結果を出して順調にきておりました。

2023年3月4日、東京マラソン本番前の最後のコンディショニングマッサージにご来院されましたが浮かない表情です。どうやら足底腱膜炎のようで、「激痛まではゆかないものの走ると痛む。完走すら危ういかも」と落ち込んでおりました。約10日前に足趾に豆を作ってしまい、軽度で治ったものの患部をかばって走ってしまったことが原因の一つと考えられました。

足底腱膜炎に対するテーピング

とりあえずいつもながらのコンディショニングマッサージとして必要な施術を行った後に、やれる対策は何でも・・・ということで、テーピングを施すことにしました。Sさんはテーピングの経験がない上に本番で初めて試すというリスクはありましたが、縋る思いと信頼からご自身で決断されました。

私の診療経験では、足底腱膜炎と称される症状には、踵に近い部分が痛む場合もあれば母趾球に近いところが痛む場合や、真ん中辺が痛む場合もあります。今回は足の特徴をも考慮して、後脛骨筋腱の収縮サポートと横アーチ保持を目的とした二つを貼ることにしました。
テーピングは同じ症状名でも、原因と改善方針、考え方からいろいろな貼り方があります。多量のテープを利用したり、やたらに細かかったりするのもありますが、快体健歩では“ご自分でも貼れるように”できるだけ簡単な貼り方を教えながら貼って差し上げます。さらに、仮に明日の本番前に剥がれてしまっても大丈夫なように、予め必要な形にカットしてワンセットを差し上げました。

そして、これからレースまでの時間は特に揉んだり伸ばしたりせず、とにかく体を冷やさないことと、レース前ぎりぎりまで足を冷やさないこと、そのための策としてシューズの中に靴や靴下用のカイロを入れることなどをアドバイスしました。東京マラソンをもって今シーズンは終わりとのことでしたので、「出場する以上は自信を持って、自重せずに狙いどおりの勝負をすべき」との意見も付け加えさせていただきました。

痛むことなく好タイムでフィニッシュ!

さて、3月5日正午前、トップランナーのゴールからは40分以上経過していますが、私が担当しているフィニッシュエリアの馬場先門救護所は、設営と準備を終えたばかりで訪れる選手は少なく、本格的に一般ランナーを受け入れる前で、私はテントの外で昼食を取っていました。

そこにSさんが現れました。リタイアランナーの回収バスの到着時刻はずっと後なので完走したことはすぐにわかり、公務を一瞬忘れて思わず握手を交わしてしまいました。「貼って差し上げたテーピングはそのままで、痛みを伴うことが無いままに、ほぼ狙いどおりの40分台でゴールできた」と嬉し泣きでした。

テーピングはいつも効果があるとは言いませんが、これまでに何回も、今回のように絶大な効果をもたらすことがあります。仕事冥利につきます!
こうした成功例があると、また自信を持って提案させていただくことにつながります。

今回は足底腱膜炎に対処する二つの貼り方でしたが、これはあくまでSさんの症状と特徴から選択した貼り方であり、どなたにもいつもこの貼り方がベストではないことを念のために重ねて申し上げておきます。

救護所運営の忙しいさなかにありながらも、今回のようにパーソナルサポートをさせていただいたランナーや快体健歩メンバーズの方がどんなレースをされているのか、私の作ったオーダーメイドインソールは何足走っているのか・・・など、快体健歩の佐々木としての思いがよぎるのが東京マラソンの常です。

東京マラソン2023エピソード、足底腱膜炎に対するテーピング

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