熱中症、4月~10月
マラソンや陸上競技会の救護役員をしますが、救護所にお世話になるランナーの症状の一つが熱中症。今ごろの季節(真夏)は大会そのものが少ないので記憶にもあまり残っていませんが、4月から10月までの大会で対応した記憶があります。
水分摂取の盲点
救護所に来たランナーに「水分補給は十分であったか?」と聞きますが、レース前から最中にいたるまで不十分であったと判断されるケースはありません。また、かつてはエントリー数に対して給水が不足していた大会の話もチラホラありましたが、今はそういうのも無くなってきました。
私なりに考えるのは、「レース前日までに水分が不足している状態だったのではないか」「普段から脱水ぎみなのではないか」ということです。
熱中症の発生場所における屋外の割合は20%に達しませんし、シーン別でもスポーツよりも普段の生活や仕事中の方が高い割合を示します。 こうしたことからも、「何をした(走った)か」ということ以上に、「体調(コンディション)がどうであったか」に注目したくなります。
「のどが渇いてからでは遅い!早めにこまめに」は皆わかっているのでスタート前は大丈夫なのですが、実は朝を迎えた時点ですでに不足していて、もう遅い・・・とならないように注意してください。
レース数日前からの水分摂取チェック
- 前日の飲酒は要注意です。アルコールの分解に多くの水分が使われて排泄されます。
- 食事はきっちり採りましょう。1日に必要な水分量を2.5リットルとすればそのうち食事からの水分は約1.0リットルになります。体重を抑えたいとか、胃もたれなどを回避するために食事を減らすとその分の水分が不足することになりますが、そこには気が付きません。
- 遠征や外泊を伴う場合は長旅の車内や居住空間の変化に伴って、いつも飲んでいるお茶などを飲まなかったりすることで水分が不足します。
- レースの戦略や準備を考えることで緊張感は高まり発汗が促進されることが水分不足のリスクとなります。
普段から水分不足にならないように
1日の水分摂取量の考え方はいくつかあります。例えば前述のように成人では2.5リットル。計算ツールとしては30歳以上55歳以下(体重×35ml/990.5)、56歳以上(体重×30ml/990.5)などもあります。こうしたベースを基本に、入浴前後、就寝前、起床時、運動前後の摂取を確認しましょう。
食事に含まれる水分量の把握はむつかしいですが、それを除いた量について、とある日の記録をつけてみて、不足していないかどうかを一度確認してみるのも良いでしょう。
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