ロングペース走を行う時期・期間
早ければ半年、遅くとも3か月前くらいから
「マラソンに向けた総合的な走力向上」という広義では季節や時期を問いませんが、めざすレースまでの期間が短く、本番に近いパフォーマンス、走力の確認、シミュレーションという狭義では、レースから逆算して、早ければ半年、遅くとも3か月前くらいから行うことになります。
そして最後のロングペース走は、レース直前までではなく、疲労回復・ピーキング期間(約2週間)に入る前までに終えることになります。
冬~春のマラソンレースを想定したスケジューリング
これに基づいて、前回のレクチャーで取り上げた回数(=6回)をスケジューリングしてみます。フルマラソンレース本番を3月10日に想定
<2週間に1回の頻度の場合>
本番前14~2週までの12週間が実施期間に相当
1回目…12月17日、6回目(最後)…2月25日
<3週間に1回の頻度の場合>
本番前20~18週までの18週間が実施期間に相当
1回目…11月26日、6回目(最後)…2月25日
秋のマラソンレースを想定したスケジューリング
今度は、秋のレースを想定します。回数は同じように6回でスケジューリングしてみます。
フルマラソンレース本番は秋、11月26日に想定
<2週間に1回の頻度の場合>
本番前14~2週までの12週間が実施期間に相当
1回目…9月3日、6回目(最後)…11月12日
<3週間に1回の頻度の場合>
本番前20~18週までの18週間が実施期間に相当
1回目…7月30日、6回目(最後)…11月12日
真夏にレースペースで長く走るのは、熱中症のリスクを伴いますからおすすめできません。
9月から開始しても十分な回数をこなすには期間が短く、さらに台風なども・・・。多少の残暑や雨のせいにしていられません。明確な計画に強い意志で臨みましょう!
まとめ
レース本番の開催日から逆算して、季節要因、回数、頻度を考え合わせてスケジューリングするということになります。
ロングペース走から転じてちょっと話が脱線します。
市民ランナーの多くは、秋~冬~春にかけて3つ以上のフルマラソンに出ることも珍しくありません。
- 挑戦機会が多いほどベストタイム更新の機会(=楽しみ)が増える
- いけるところまで・・・挑戦してみる
- ダメでも無駄にはならず、結果として後のレースへの練習になる
ということで、秋のレースでも自己ベストの更新を狙われます。
しかしながら、前述したように、季節要因と練習内容の充実度を考えた場合には、冬~春のレースを見据えてじっくり取り組んだ方が、負荷の高いトレーニングができる期間が長い分だけ確実に結果に結びつきいやすいので、記録更新を狙うなら冬~春をおすすめします。
実際には秋のレースが自己ベストという方もたくさんいらっしゃいますが、そのシーズンにじっくりトレーニングを積んでコンディションを整えれば、冬~春にはさらに記録を更新できたと考えられます。
(もちろん、コースの工程や気象条件もありますが・・・)
特に、年間数本の参戦計画で記録が頭打ちのまま数シーズン停滞している人は、メインレースを絞って練習内容、組立てを再構築してみてはいかがでしょうか?
マラソンレースまでの期間に余裕がある場合のロングペース走
レースまでの期間に余裕がある場合の広義のロングペース走では、特にレース本番の速さにこだわらなくても構いません。平たく言うところのスピード目的トレーニングと、スタミナ目的トレーニングの間に位置付けて、「短すぎず長すぎず」、「速すぎず遅すぎず」の練習になります。かといって、終始感覚に任せた走りに陥らず、速さ、時間、距離のプランを立てることとデータの記録管理は大事です。
また、春や夏は、速さではなく心拍数をATレベル付近にキープするロング走や、アップダウンの多いコースを含むロング走なども効果的です。トレーニングバリエーションが広がれば、楽しく、モチベーションの維持にもつながります
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