※このレクチャーは、マラソン等長距離走においてレース完走や自己記録の更新または維持という走力向上を目標においている市民ランナーを対象としたものです。
ロングペース走の重要性
ロングペース走とは
ここではフルマラソンのためのトレーニングメニューとして、フルマラソンのレースペースを念頭において導き出した速さで、20キロ以上を走るトレーニングと定義づけることにします。
フルマラソンのトレーニングとして最も重要なメニューといえます。
ほとんどのスポーツにおいて本番と同じ動作、パフォーマンスが練習メニューの中心であることを考えると、マラソンにおいて距離や速さが本番の走りに最も近い練習メニューがロングペース走に該当します。ただし、一試合における疲労度が相当高いので、本番と同じ距離42.195kmを本番のスピードで何度も走ることはできないので、本番より短い距離での練習となります。
ロングペース走の目的
マラソンにむけた総合的な走力の向上が主目的ですが、それ以外にもとても大切な意義があります。
<ロングペース走の目的>
- マラソンのための総合的な走力の向上
- 本番の目標タイムとレース戦略を考えるためのデータ
- 今後の練習計画、メニューの内容(距離やスピード)を決めるためのデータ
- それまでのトレーニングの効果の検証
ロングペース走の頻度とスケジューリング
1、2回ではなく4、5回、できれば6回以上やりたいところです。
20kmか30kmかの距離にもよりますが、初マラソンの時間内完走をめざすビギナーとサブスリーランナーとでは回数もおのずと変わってくるでしょう。
初心者の場合でも自信をもって完走に挑むのであれば30kmを2回以上行っておくべきです。そのシーズン1回目の30kmの結果は予定より速すぎたり遅すぎたりすることもありがちです。実績・結果を踏まえて本番の走りのリハーサルになりえる30kmを行っておきたいので、最低2回となります。
距離のスケジューリング
<6回やる場合の基本パターン>
20km→30km→20km→30km→20km→30km
<基本パターンのアレンジ>
・20kmを2回やって30kmというように厚みを持たせることもできます
20→20→30→20→20→30→20→20→30
・より慎重に上げてゆくために25kmも導入します。
20→25→30→20→25→30→20→25→30
ロングペース走の頻度
週に何回行うかはフルマラソンの経験、レベルにもよりますが、負荷の高い練習メニューになりますので続けざまに行うことはできません。週1回以内に留めることをお勧めします。
また、LSDも定期的に行いたい練習で、かつ時間を要し、それなりの疲労を残すことを考え合わせると、一週間に1回、ロングペース走とLSDを交互に行うパターンが基本として考えられます。
もちろん走力によってはそれ以上もそれ以下も・・・。実際、週末の二日間でLSDとロングペース走をそれぞれ行っているランナーも少なくありません。
私の考えでは、LSDならば二日続けてもOKですが、ロングペース走を含むロングは続けない方が良いと思います。
ロングペース走は、特にレース本番に近くなるほどに速いスピードで行うことになるので、故障リスクを抑えたいのと、前日の疲労などが無い万全の状態で緊張感をもって行うことで、良い結果、データを残したいという理由です。
「“できる速さ”で2日続けて行って距離と頻度を稼ぐ」というよりも、「“2日続けて行えない負荷、緊張感で”臨んで走力チェックにしたい」という考え方です。
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