「マラソンレース前のスポーツマッサージは本番の前日と2、3日前ではどちらがいいですか?」「レース後では当日と翌日、または2、3日後のどのタイミングがいいですか?」・・・お客様からどちらもよく訊かれる質問です。
<マラソンレース前>のスポーツマッサージはいつ、どのタイミングが効果的か?
前日と数日前では一概にどちらが効果的ということはありません。
レースを控えたスポーツマッサージの究極の目的は、本番で持てる力を最大限に発揮できるコンディションに導くことで、何日前であっても変わりません。
快体健歩で私の施術を受けられている方はお馴染みですが、施術を行う前に、「直近ではいつどの程度走ったか?」、「今抱えている不具合や疲労はどんなか?」、「本番まで何日、何時間あるか、それまでの間に走るか?」などを問診します。
そしてこれらの情報、与件をもとに施術内容を組み立ててゆきますから、その時々において「本番で持てる力を最大限に発揮できるコンディションに導くための」最良の施術を行います。
レース前の施術内容は、大雑把に言うと、張りや重さ、硬さを訴えているところを解きほぐす手技と、より軽やかに、動けるような刺激を与える手技(他動的なストレッチも含む)で構成されます。
したがいまして、本番までの日数が長かったり、疲労や不具合の問題が大きかったりするほどに前者の割合が多くなり、特に問題がなく本番までの日数が短いほどに後者のエッセンスが加味されることになります。
快体健歩における実情としては、レース前の最後の週末の負荷の高いトレーニングの疲労や不具合への対処として翌週初め(月曜日、火曜日)のスポーツマッサージの方と、レース前日か前々日(金曜日、土曜日)のスポーツマッサージという方の2パターンがあるようです。
もちろん、2回行うことでより精度の高い仕上がりになるでしょうし、1回でも、前述のとおりその時々の状況において最良の効果を目指して行いますからご都合に応じてご利用ください。
<マラソンレース後>のスポーツマッサージはいつ、どのタイミングが効果的か?
「レース後のスポーツマッサージは当日と翌日、または2、3日後のどのタイミングがいいですか?」・・・についてお答えします。
筋肉が凝り固まってしまう前に対処するという目的において早いにこしたことはありません。
かといってフィニッシュ直後はどうかというと、とある部位が痛みや腫脹、動かせないなどの炎症を伴っている場合はその処置が、熱射病や低体温症の症状がある場合はその対処が優先されます。
そして、マッサージの前にクールダウンのジョグ~ウォーク→ストレッチを行いましょう。クールダウンのジョグ~ウォークは、疲労をできるだけ小さく、そして長引かせないために最も有効な手段なのです。
クールダウンを経た頃には心拍数も安静時に近いところまで落ち着いているはずですし、交感神経から副交感神経優位へ転じるモードに入り、スポーツマッサージの効果も得られやすい状態といえます。
マラソン大会のフィニッシュエリアにマッサージサポートのゾーンが設けられる場合もありますが、すぐに利用するよりもクールダウン、栄養補給、着替えなど、一旦落ち着いてからの利用をお勧めします。
その後においては、早いほうが良いので、可能であれば当日、無理なら翌日、それも無理なら翌々日・・・という具合です。
「数日後の方が筋肉痛が顕著になりやすいので、そのタイミングが良いのでは」という声もよく聞きます。状態が悪い方が、効いている実感も確かに強いですから、その気持ちは良くわかります。
その感覚を得たいのであれば筋肉痛マックスの時を見計らってのマッサージが良いといえますが、疲労の早期軽減を目的とするのであれば、とにかく早めが効果的です。
また、疲労は、メンタルや自律神経などとの関連でいろいろなタイプ、種類があり、スポーツマッサージは主に運動器へのアプローチです。負荷の高いレースの後は内臓の疲労や倦怠感などに対しては、相応のアプローチが必要ですし、回復までに数日かかることも覚えておきたいです。
機会を改めてレース後の疲労回復について解説したいと思います。
ロングペース走の目的
マラソンにむけた総合的な走力の向上が主目的ですが、それ以外にもとても大切な意義があります。
<ロングペース走の目的>
- マラソンのための総合的な走力の向上
- 本番の目標タイムとレース戦略を考えるためのデータ
- 今後の練習計画、メニューの内容(距離やスピード)を決めるためのデータ
- それまでのトレーニングの効果の検証
ロングペース走の頻度とスケジューリング
1、2回ではなく4、5回、できれば6回以上やりたいところです。
20kmか30kmかの距離にもよりますが、初マラソンの時間内完走をめざすビギナーとサブスリーランナーとでは回数もおのずと変わってくるでしょう。
初心者の場合でも自信をもって完走に挑むのであれば30kmを2回以上行っておくべきです。そのシーズン1回目の30kmの結果は予定より速すぎたり遅すぎたりすることもありがちです。実績・結果を踏まえて本番の走りのリハーサルになりえる30kmを行っておきたいので、最低2回となります。
距離のスケジューリング
<6回やる場合の基本パターン>
20km→30km→20km→30km→20km→30km
<基本パターンのアレンジ>
・20kmを2回やって30kmというように厚みを持たせることもできます
20→20→30→20→20→30→20→20→30
・より慎重に上げてゆくために25kmも導入します。
20→25→30→20→25→30→20→25→30
ロングペース走の頻度
週に何回行うかはフルマラソンの経験、レベルにもよりますが、負荷の高い練習メニューになりますので続けざまに行うことはできません。週1回以内に留めることをお勧めします。
また、LSDも定期的に行いたい練習で、かつ時間を要し、それなりの疲労を残すことを考え合わせると、一週間に1回、ロングペース走とLSDを交互に行うパターンが基本として考えられます。
もちろん走力によってはそれ以上もそれ以下も・・・。実際、週末の二日間でLSDとロングペース走をそれぞれ行っているランナーも少なくありません。
私の考えでは、LSDならば二日続けてもOKですが、ロングペース走を含むロングは続けない方が良いと思います。
ロングペース走は、特にレース本番に近くなるほどに速いスピードで行うことになるので、故障リスクを抑えたいのと、前日の疲労などが無い万全の状態で緊張感をもって行うことで、良い結果、データを残したいという理由です。
「“できる速さ”で2日続けて行って距離と頻度を稼ぐ」というよりも、「“2日続けて行えない負荷、緊張感で”臨んで走力チェックにしたい」という考え方です。
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