それぞれの長所と短所
『テーピングとサポーター、どっちが良い?』と聞かれることがあります。いつもではないのですがレースシーズンになると「本番でどれを採用すべきか?」と悩むようです。
それぞれの長所と短所、活用の注意点を簡単にまとめてみました。
テーピング
部位の大きさ、形、症状に応じて施せるのが最大の長所です。解剖学の知識をもとに、例えば筋肉の場所(始まりと終わりの部分)や骨の形状や大きさ、さらにどのように動くかを知っていれば、対応すべき障害においてピンポイントで狙うことができるだけ効果が期待できます。逆に言えば、テーピングの特製を知ってい扱いに慣れていないと効果的に貼れないこともあります。技術に拠るところがあるのと、慣れていないとそれなりに時間もかかること、何よりも剥がれるリスクがあること、体質によってかぶれが生じることが短所といえます。
サポーター
簡単で、いつでも安定した施しができるのが長所です。短所は、体の各部位のサイズとのマッチングで妥協せざる得ないことがあったり、固定や制御の度合いのアレンジができない部分があったりするすること、装着感の違和感が気になることもあるところです。
ランニングタイツ
下半身全体を覆うものですから、臀部全体や大腿部全体などの幾つかの筋肉群全体に対しての相対的な疲労軽減などの効果が期待できるのが長所と言えます。障害の種類や部位にピンポイントで対応しにくいのが短所です。
また、下半身全体を覆うので臀部、大腿、下腿のすべてに妥協なくフィットしていることは難しいです。例えば、サイズ選びで臀部に合わせると太腿がキツイとか、太腿に合わせるとふくらはぎがブカブカだとか・・・というように。
まとめ
- 対象とする部位と障害が明確であるほどに、また深刻であるほどに、理論に基づいて上手に施せるならテーピングが狙った効果を一番期待できると思います。ただし、発症時の応急処置や絶対的な制御や止血となれば別で、サポーターという場合もあります。タイツにおいては、筋肉疲労の軽減や発症を遅らせるには一定の効果はあると思いますが、「無いよりはマシ」くらいに思うべきでしょう。
- どれにしても、疲労軽減レベルなのか、具体的に想定される故障の予防(未然)なのか、すでに抱えている障害リスクの炎症予防なのか、事情があって既に発症しているところを守りながらプレイするためのものか、目的に応じて選択が変わります。毎回の練習か大会本番かのシーンによっても変わります。
- 走るたびに毎回施さざるえない障害の方もいらっしゃいますが、できればそうなりたくありません。早期発見で違和感があったら早めの対処として、また不安があるときに活用するようにしましょう。
- レースでの活用は本番前に数回施して、やり方と装着感に慣れておくことが大事です。
- 傷害の治癒においては側面から援護するものであり、それで”治す”という期待はほとんど無理と思ってよいでしょう。
- 一度プロの相談を受けて「活用の仕方、施し方が間違っていないか」、「効果的に使えているか」を診断してもらうのが良いでしょう。
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