市民ランナーAさんのオーダーメイドインソール
ウルトラマラソン上位入賞の常連さん
ウルトラマラソンの多くの大会で上位入賞を果たしているAさん、オーダーメイドインソールのサポートは8年ほど。
オーダーメイドインソールのきっかけとなったのが中足骨骨頭痛のお悩みで、以降も今日までその対処が欠かせません。
オーダーメイドインソールでの中足骨骨頭痛対策は二つ
- 基本である横アーチのサポートとして適度な柔らかさで盛り上げて足の動きの柔軟性をサポートして衝撃を滑らかに吸収、ダメージを軽減させる。
- 痛む中足骨が当たる部分をくり抜いて空洞にしたり、沈み込むほど柔らかな材質をあてがったりして衝撃を軽減させる。
①の横アーチサポートは、痛みを訴える人以外のオーダーメイドインソールでも、それぞれの形状に合わせてデフォルトで付けてります。
②はオプション対応になります。ベースのインソールの厚さやフィッティングの余裕度などにより使う材質や加工方法は個々で異なります。Aさんのようにリピーターの場合でも、毎回、より効果的な加工方法を考えて相談して作り上げますので、年々進化していると思います。
ランニングと中足骨骨頭痛
中足骨骨頭痛とは
中足骨骨頭とは、足の前足部の足底、各指が分かれる付け根のやや手前で盛り上がっているところ。触ると骨の硬さを感じます。
5本の指それぞれに対応して5つあり、親指の骨頭は母指球、小指は小指球とも言います。
骨頭痛は5つのどれにでも起こりえますが、母指球と小指球においてはランニングに限らず外反母趾や内反小趾に伴って靴に当たる横側が痛むトラブルで珍しくありません。
ランニング障害として多いのは3指(手でいう中指)と4指(手でいう薬指)に対応している骨頭の痛みです。広がった状態の足が地面に接地~離地(着地から蹴りだし)する際に足底の骨頭が打ち付けられることによる炎症です。
ランニング以外でも負荷のかかった着地を繰り返すスポーツでも見られ、スポーツに起因しない例は少ないと思われます。
中足骨骨頭痛の要因
- 横のアーチが下がっている(=開張足という足のタイプ)
- 骨頭が大きい
- 骨頭の表面が滑らかでない
- ハイアーチにより鋭角で接地する
- 中足部の関節が硬く滑らかな衝撃吸収ができない
- シューズのソール(アウトソール、インソール)が薄い
- シューズのソール(アウトソール、インソール)が硬い
- シューズが大きすぎる
- シューズのフィッティングが緩すぎる
- 足部における強い背屈の癖、余計な緊張により、滑らかな衝撃吸収ができない
また、他の多くのランニング障害と同じように、遅いスピードよりも速いスピード、短い距離よりも長い距離で発症しやすくなります。
中足骨骨頭痛の対処
今、痛い場合の対処
走った後に感じている炎症など急性にはアイシングの消炎鎮痛効果が期待できます。
痛いままで走り続けないことが肝心です。
炎症が鎮まっていない状態にダメージを加えることで腫脹が大きくなり、皮膚の角質化に伴って硬く肥大することで、より発症しやすい状態を生み出すことにつながります。
そうは言うもの練習はしなければなりませんし、レースを途中で止めるわけにもゆきません。下で解説しますが、痛くならないように「できる対策はやる」に尽きます。
痛いときの足部のマッサージやストレッチはNG。
足底へのゴルフボールや青竹ふみなどのアプローチもしかりです。足部の筋組織は要因に関与していないと思われますから効果は期待できないどころか、炎症を亢進させてしまうことになりかねません。
予防策
オーダーメイドインソール
オーダーメイドインソールでは、横アーチの確保による柔軟性のサポートで衝撃を吸収しやすくすることと、痛む中足骨が当たる部分をくり抜いて空洞にしたり、柔らかく沈み込む材質をあてがったりして衝撃を軽減させます。
お金はかかりますが、特別な時間を労せず的確な効果が得られますから、発症したことのある人(=再発リスクのある人)は備えておくべき対処といえます。
テーピング
テーピングでは横アーチをサポートする対処と足趾に繋がる腱をサポートする対処の二つがあります。
走るたびに貼るのは少し面倒かもしれませんが、効果は期待できます。レース本番や長い距離の練習などの際に施すという取り組みもありますが、たまにしかやらないと上手で効果的な貼り方を覚えないのが難しいところです。
ランニングフォームでの取り組み
走り方、ランニングフォームの取り組みとして、足部に余計な力を入れないことです。感覚を理解するにはアップダウンを走ってみればわかりやすいかもしれません。
もう一つは基本姿勢の骨盤を高い位置に保ち体の真下に接地することです。上手くできるほどに背屈の緊張が抑えられます。
ボディメンテナンス
地道で長い期間を要しますが、足部の細かい筋肉を動かすエクササイズやマッサージで横アーチの強化や足部全体の柔軟性を獲得することも期待できます。
炎症が起きていない状態で行うことと、定期的にやることが効果を生む条件となります。
シューズ選択・フィッティング
- クッション性の高いシューズを選択すること
- サイズが大きすぎないこと
- 緩い履き方はシューズの重さに遠心力が加わり余計な負担、緊張につながるので、シューレースを普通にきちんと結ぶこと
手術により骨の大きさや形状そのものを変えることができると思われますが、よほどの場合でない限り勧められないと思います。
上記に挙げた対処法はどれも快体健歩で行っているサポートメニューです!